ようこそ炎の世界へ
人間は古くから火を使って食べ物を調理し 体を暖め 周囲を明るくして生活してきました。
焚き火の炎の揺らぎ 「パチパチ」 という火の粉の音は今でも人々の心を魅了するものです。
そして現代 この魅力的な炎を 住まいの中に取り入れたのが薪ストーブです。
木を燃やした時の 自然がもたらした暖かさは何ともいえない心地良さがあります。
日本では、つい20年程前までは「かまど」や「いろり」が見られましたが
北欧や北米の寒い地域では 現在でも暖炉が生活の一部として使われています。
近年 日本でも住宅や生活スタイルにこだわりを持って 薪ストーブを導入する方が増えてきています。
古代の人々が見た風景を あなたも あなた自身のスローライフに取り入れてみませんか。
環境に配慮した2次燃焼システム
単純に木材を燃焼させた場合 その質量に対し半分も燃やせていません。
では 残りの半分以上はどこに・・・?
それは煙として排出されているのです。つまりたくさんのタール分や1酸化炭素が空気中に排出されてしまうわけです。
これを防ぐため 高性能薪ストーブには2次燃焼システムが設けられています。
炉内で燃え切れなかったタールなどを2次燃焼させて 排気をクリーンに そして熱効率を高めています。
2次燃焼システムには大きく分けて2種類あります。
キャタリティックコンバスター(触媒)方式
セラミックや金属でできた触媒が、薪ストーブ内部で高温になり赤熱します。
そこに1次燃焼で発生した煙を通し 2次燃焼させるというものです。
クリーンバーン(非触媒方式)機より燃焼効率が高く、排煙もクリーンです。
これは、EPA(米国環境保護局)の排煙規制が非触媒方式よりも厳しいためです。
ただし触媒は劣化するため数年の使用で交換が必要となります。
クリーンバーン(非触媒)方式
もうひとつは非触媒方式といわれる クリーンバーン方式。
その名の通り触媒を使わず 炉内を耐火煉瓦でくまなく囲い2次燃焼用の空気を通すパイプを配置し
タール成分などと空気を混合させ2次燃焼させるというものです。
燃焼効率の点では、キャタリティックコンバスター(触媒)方式に劣りますが
ストーブ機構の単純化によるメンテナンスのしやすさ、交換部品の少なさでランニングコストを抑えることができます。
触媒方式も非触媒方式も欧米の厳しい排煙規制をクリアした環境に優しい高性能なストーブです。
どちらをチョイスするかはユーザーの好み次第です。
暖房方式
薪ストーブの暖房方式には大きく分けて3種類あります。
輻射熱方式
炉内の熱が直接外板に伝わり ストーブ本体から熱を輻射します。
遠赤外線の働きで体の芯から暖めてくれます。
対流熱方式
炉が直接外板と面した輻射式とは異なり 炉室の周りに空気層を設けその外側に外板があります。
炉と外板の間を通った空気が暖められ 吹き出し口から排出されて室内を暖めてくれます。
さらに本体前面・天板からは輻射熱も出しています。
この方式はストーブの側壁と後壁を2重構造にするため、比較的高温になりにくく壁や家具に近づけて設置することができます。
複合方式
輻射式と対流式を複合させたストーブです。
上記以外に暖炉式 があります。
これは炉室を密閉する扉がなく2次燃焼などのシステムもないため 熱効率が悪く 薪の消費も大きい。
暖炉は中世ヨーロッパでは富の象徴として導入されることが多かったそうです。
薪ストーブとCO2
近年 二酸化炭素排出量の問題・化石燃料の枯渇化など 環境の問題がメディアでも広く報じられています。
薪を燃料としている薪ストーブの場合 燃焼したときに排出される二酸化炭素の量は
その薪が樹木として光合成をおこなった際に吸収された二酸化炭素の量と ほぼ同量であることから
京都議定書で定められた二酸化炭素の排出量に加算されません。
このことを 『カーボンニュートラル』 といいます。
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